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オペラ座の怪人は数々の名言やシーンがあります。
ただ小説にしか出てこない「ナレーター」の表現も素晴らしく、評論家は登場人物たちと同様にガストン・ルルーの文章を名言として扱うことがあるのです。
この記事では、オペラ座の怪人の名言10選とその意味・観衆に伝えたいことを解説していきます。
【参考】オペラ座の怪人の簡単なあらすじ
- ガストンルルー「オペラ座の怪人」の名言10選と意味・伝えたいことを解説
- 名言①「私はオペラ座の怪人。思いの外に醜いだろう?この禍々しき怪物は地獄の業火に焼かれながら、それでも天国に憧れる。」
- 名言②「近づく者をすべて焼き尽くすような恐ろしい音楽もある。」
- 名言③「いつかあなたはその醜い言葉に対して私に許しを請うようになるわ、ラウル。そして私は、あなたを許すでしょう。」
- 名言④「彼は世界の王となれる心を持ちながらも、終いには獄中に閉じこもっていなければならなかった。」
- 名言⑤「幼いクリスティーヌは父親に音楽の天使をきいたことがあるか聞きました。しかしお父さんは悲しげに首を横にふります。しかしその後目を輝かせてこう言いました。『いつか彼の声を聴くだろう、わが子よ。私が天国に着いた時に、彼をお前の元におくろう。』」
- 名言⑥「エリックは愛によって狂ったと彼女は伝えます。彼女が妻とならなければ、彼が自分を含めて全員の命を絶つと。」
- 名言⑦「自分のあるがままでも愛されたかっただけなのだ。」
- 名言⑧「僕が海に流された君のマフラーを取りに行った男の子だよ!」
- 名言⑨「『そんなにヤツは君のことを愛しているのか?』『私のためなら、殺人をも犯すでしょう』」
- 名言⑩「パリでの人生は仮面舞踏会。」
- ガストンルルー「オペラ座の怪人」の名言についてまとめ
ガストンルルー「オペラ座の怪人」の名言10選と意味・伝えたいことを解説
登場人物のセリフの他、ナレーターの美しい物語運びの表現も名言として世界では見なされています。
名言①「私はオペラ座の怪人。思いの外に醜いだろう?この禍々しき怪物は地獄の業火に焼かれながら、それでも天国に憧れる。」
オペラ座の怪人と言えばこのセリフと言えるほどあまりに有名な名言です。
小説の中では別の表現になっていますが、初めてクリスティーヌがエリックの仮面を取った時に彼が叫ぶセリフです。
自分の外見を「醜い」と認識しながらも、彼にとっては「普通の人生」が天国の価値があるのがわかる悲しい一節なのでした。
小説の中では、クリスティーヌがラウルに怪人のことを伝える回想として語られるシーンです。
名言②「近づく者をすべて焼き尽くすような恐ろしい音楽もある。」
このセリフはエリックがクリスティーヌにかける言葉で、彼女がまだ彼の言うような音楽に出会っていないのを幸いだと言うのでした。
エリックはこのセリフの前に自身が奏でる「ドン・ファン」は焼き尽くすもので、しかも聖なる炎ではないと述べています。
彼の中の「天国(=普通の人生)}への憧れと、それを当たり前のように謳歌する人々に対しての「嫉妬」や「憎しみ」を表すエリックの音楽を表現する名言なのです。
名言③「いつかあなたはその醜い言葉に対して私に許しを請うようになるわ、ラウル。そして私は、あなたを許すでしょう。」
ラウルはエリックの隠れ家へと続く道を進ませないクリスティーヌに対し、彼女がエリックに心を奪われているのではないかと邪推した言葉をかけます。
侮辱されたクリスティーヌは、それでも上記の名言を言い彼への愛を表現します。
ラウルの存在をエリックから隠すためならば、自分のプライドと誠実さをいくらけなされても平気だというクリスティーヌの健気な決意を読み取ることができます。
この場面での彼女の立場が複雑なのは、エリックの生い立ちを知っていてもなお、それは自分が彼に伝えるべきではないと感じているからなのでした。
名言④「彼は世界の王となれる心を持ちながらも、終いには獄中に閉じこもっていなければならなかった。」
小説版オペラ座の怪人はナレーターが物語を進めていき、登場人物たちはセリフのみで己を表現していきます。
しかしガストン・ルルーが書くナレーターも、文学に残っていく名言を物語中に残しているのです。
劇や映画では味わえない一節ですが、オペラ座の怪人の評論家や小説愛好者たちはナレーターの言葉にも深く刺さるものを感じます。
上記の名言は、物語の終盤で音楽の天才エリックについて出てくる内容です。
名言⑤「幼いクリスティーヌは父親に音楽の天使をきいたことがあるか聞きました。しかしお父さんは悲しげに首を横にふります。しかしその後目を輝かせてこう言いました。『いつか彼の声を聴くだろう、わが子よ。私が天国に着いた時に、彼をお前の元におくろう。』」
小説の序盤に、クリスティーヌの生い立ちについて書かれている個所になります。
彼女の父親の数少ない出番の一つなのですが、彼は幼いわが娘に「音楽の天使」にいつか会えることを約束します。
後に成人となったクリスティーヌが自分の部屋からエリックの声が聞こえてきても、不審がることをせずに素直に耳を傾けるきっかけとなったのが父親のこの言葉なのでした。
こうして「音楽の天使」は疑いを知らないクリスティーヌにコーラスの指導をしていくこととなります。
名言⑥「エリックは愛によって狂ったと彼女は伝えます。彼女が妻とならなければ、彼が自分を含めて全員の命を絶つと。」
この力強い名言はナレーターのものですが、エリックのクリスティーヌへの愛(執着)とそれを得るための覚悟をクリスティーヌが悟場面です。
物語を通して最もカタルシスを見ることができるのはエリックですが、それを可能にするのがクリスティーヌというキャラクターなのでした。
芯が強く他人思いの彼女はどうにかしてラウルとエリックの暴走を自分を犠牲にしてでも食い止めようとします。
キーパーソンであるプレッシャーゆえに、自殺まで彼女の頭をよぎる様子を伝えています。
名言⑦「自分のあるがままでも愛されたかっただけなのだ。」
この心からの告白はエリックのもので、英語では”All I wanted was to be loved for myself”になります。
物語の中盤から終局に入るあたりに出てくる名言で、自分がいかにして「愛されること」のために間違った方法を取っていたのかに気づくシーンです。
子供がつぶやくような内容ですが、それだけエリックが無償の愛を知らず、その上渇望しているかをよく表す名言です。
エリックの心の叫びは一節も劇や映画には出てこないので、彼を理解し共感する上で小説は避けては通れないほどキャラクターを深掘りします。
名言⑧「僕が海に流された君のマフラーを取りに行った男の子だよ!」
オペラ座の怪人の第1章で、成長したクリスティーヌとラウルが再開するときに彼が切り出すセリフです。
クリスティーヌは幼い頃父親が所属するオペラ座と一緒に各所を旅していた時に、ラウルと出会い友達になります。
オペラ座と楽団はラウルの街に滞在することなく次の街に移動し、その時に二人の友情は途絶えてしまいます。
何年も後にクリスティーヌが突然声を失ったオペラ女優の代わりに舞台に立った時に、観客として来場していたラウルが上記のセリフを言って彼女に思い出させようとするのでした。
名言⑨「『そんなにヤツは君のことを愛しているのか?』『私のためなら、殺人をも犯すでしょう』」
このやり取りはラウルとクリスティーヌのもので、物語の終盤に出てきます。
クリスティーヌがエリックにさらわれる直前の会話で、このシーンの彼女のセリフでラウルは怪人の狂気じみた愛の強さを知ることになるのでした。
クリスティーヌのこの表現で、まだ直接怪人に会ったことのないラウルは自分の持つやや未成熟な愛に思い込みの正義感が加わり彼女を助けに行きます。
名言⑩「パリでの人生は仮面舞踏会。」
これは物語の初めでナレーターが舞台であるパリを表現するオペラ座の怪人の中でも有名な言葉です。
英語では”In Paris, our lives are one masked ball”となります。
オペラ座の怪人だけでなく誰もが仮面を被っており、人の外見と本性は良い意味でも悪い意味でも全く別のものであるという伏線ともとれる一文です。
ガストンルルー「オペラ座の怪人」の名言についてまとめ
オペラ座の怪人の名言のほとんどは小説で初めて読むことができます。
上記の10選を見ても、他のメディアでは知ることができないものがほとんどです。
より深く物語を知りたい方は、小説を読むことをおすすめします。