風と共に去りぬはどんな話?簡単なあらすじや作者の意図、なぜ名作と言われるのかを解説

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「風と共に去りぬ」は、マーガレット・ミッチェルにより、アメリカ南北戦争の時代を南部アメリカの視点から描かれた長編歴史小説です。

この記事では、風と共に去りぬのあらすじ等を簡単にまとめていきます。

 

「風と共に去りぬ」はどんな話?あらすじを短く簡潔に解説

大農園「タラ」の令嬢スカーレットは、南北戦争の勃発により、近所の若者たちが慌ただしく入隊する中、想い人アシュレイが従兄弟のメラニーと結婚すると聞かされます。

スカーレットは恥も外聞も捨て、アシュレイに想いの丈を打ち明けますが相手にされず、腹いせにメラニーの兄チャールズと結婚しました。

チャールズは残念ながらすぐに病死し、スカーレットは若くして未亡人となってしまいます。

そして、チャールズの忘れ形見の男の子を出産します。

時代の荒波に揉まれながら、アシュレイに頼まれた病弱なメラニーを気にかけながら、スカーレットは故郷「タラ」を守るため、フランク・ケネディやレット・バトラーと再婚し生きていくのです。

 

「風と共に去りぬ」のタイトルに込められた意味

「去りぬ」という言葉は、「去る」という動詞の連用形と「ぬ」という完了の助動詞から成り立っていて、意味は「風と共に去ってしまった」です。

英語のタイトルは、gone with the windで意味が分かりやすいかもしれません。

風とは、アメリカ南北戦争を表しています。

南部の黒人奴隷に支えられたプランテーション経済による世界が、リンカーンが掲げた奴隷解放を契機とした南北戦争により、去っていったことを意味しています。

 

「風と共に去りぬ」の作者の意図を考察

「風と共に去りぬ」は、男性が前線で戦う南北戦争の舞台裏で、女性がどのように戦い、生き抜いていったのかということを、スカーレットとメラニーという2人の相反するタイプの女性を通して描かれています。

当時の女性は、メラニーのように男性の後をついていくような内助の功型の女性があるべき姿とされていました。

しかしながら、奔放でやや道徳心にかけるスカーレットを主役として描くことで、彼女を通して見えてくるメラニー型の女性の生きにくさや葛藤を伝え、スカーレット型の新しい女性の生き方について読者に問いかけているのではないでしょうか。

女性は常に守られている存在ではなく、男性よりも時には逞しく柔軟で、時代の変化に対応して生きていける強さを持っていることを、
スカーレットとスカーレットの身近な男性、父ジェラルド、想い人アシュレイ、夫となるチャールズ、フランク、レットとの比較することで表現されていると感じさせられます。

 

「風と共に去りぬ」はなぜ名作と言われるのか?作品の魅力は?

風と共に去りぬは、勝ち気な大農園の令嬢スカーレットがアメリカの南北戦争の勃発により、時代に翻弄されながらも逞しく生き抜いていく話です。

当時のアメリカは、女性は内助の功として、男性の一歩後ろを歩いてついて行くことが美徳とされていました。

両親の愛に守られて世間知らずだった少女が、家族や土地といった守るべき対象を見つけたことにより、少女から大人の女性へと脱皮し、成長していく様が見事に描かれているところが名作と言われる所以でしょう。

スカーレットが女性ながらも、家族と愛する土地を守るために奔走し、北軍の略奪者からタラの屋敷を守り、男性と渡り合って商売をする姿に、困難にあいながらも立ち上がって生き抜いていく生き方を学ばされ、そこが作品の魅力となっています。

それと同時に、幼い頃から恋焦がれてきた幼なじみのアシュレイに対するスカーレットの想いが、戦争を通して逞しくなっていった彼女には、色褪せていくのです。

参考:「風とともに去りぬ」に登場する名言

 

まとめ

「風とともに去りぬ」はアメリカ南北戦争の時代を南部アメリカ側の視点に立って描かれた長編歴史小説です。

小説の他にも、ビビアン・リー主演の映画やテーマ曲「タラの丘」も美しく、とてもおすすめです。