ヴィクトルユゴー「レミゼラブル」はどんな話?あらすじの簡単な解説と考察

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ヴィクトルユゴーが1862年に書いた長編小説で、フランス語のタイトルは「悲惨な人々」になります。

物語の規模の大きさから、劇や映画にもなって人々の愛する作品として有名です。

この記事は「レミゼラブル」のあらすじを簡潔にまとめ、考察を紹介していきます。

 

ヴィクトルユゴー「レミゼラブル」はどんな話?あらすじを簡単に解説

姉の子供に与えるためにパンを一斤盗んだジャン・ヴァルジャンは19年間の刑期を終えた後、釈放されます。

教会に身を寄せることになるものの、銀の食器を盗んで彼は逃亡します。

警察に捕まった彼を教会の司祭は「食器は彼にあげたもの」と言い、ヴァルジャンを助けます。

心を改めた彼は四年後には別の街で「マドレーヌ」と名乗り、市長になったのでした。

ヴァルジャンが持つ工場で父なし子を持つファンティーヌは、彼が知らない間に風紀違反で解雇されてしまいます。

自分の髪や歯を売って、そのお金を娘であるコゼットを預けているテナルディエ夫妻に送りますが、夫妻はコゼットを女中として働かせていた上、ファンティーヌからお金を巻き上げていたのでした。

ファンティーヌは偶然ヴァルジャンに助けられ、彼女の窮地を彼は知ります。

ヴァルジャンはコゼットを連れ戻すとファンティーヌに誓いますが、彼女は息を引き取ってしまうのです。

 

【ネタバレ注意】ヴィクトルユゴー「レミゼラブル」の結末

わずか8歳で宿屋の女中として働いていたコゼットは突然現れたヴァルジャンに身元を引き受けられます。

パリで二人は暮らし始めますが、成長したコゼットに青年マリユスは一目ぼれします。

次第に愛し合うようになる二人でしたが、ヴァルジャンとコゼットはイギリスに移動することになり二人は引き裂かれてしまうのでした。

コゼットとマリユスの愛を知ったヴァルジャンは一人フランスに戻り、フランス革命で重傷を負ったマリユスを助け出します。

コゼットと結婚したマリユスでしたが、ヴァルジャンの過去を知り彼と円を切ります。

しかし後にヴァルジャンが自分の命の恩人であることも知り、和解するのでした。

物語の最後にはヴァルジャンが静かに死んでいきます。

 

ヴィクトルユゴー「レミゼラブル」を考察

作者であるヴィクトルユゴーはレミゼラブルを通して、社会に浮き彫りになっている様々な問題を指摘しています。

次々と身をやつし、餓死する女たち。

歪んだ社会の中で、希望のないまま大人になってゆく子供たち。

そして裕福層が貧しい人々を利用しつくすシステムが書かれています。

フランスでは貴族層と一般市民の階級の差が激しい歴史を、読者が知ることができるのです。

この格差がのちのフランス革命を起こす要因の一つとなるのですが、レミゼラブルではジャン・ヴァルジャンの目を通し社会の底辺にいる人々の生活がどんなに苦しいものだったかを知ることができます。

一個人を心身共に怖しうる社会の中で、それでも愛を持って他者に接することで救われるというのが最大のテーマでしょう。

物語の序盤でジャン・ヴァルジャンを救った司祭や、ヴァルジャンやコゼットがお互いの救いであったように、腐りきった社会の中でもその圧力に折れない限り光があることを私たちに見せてくれます。

社会という強大な敵の前でも、自分たちが持ちうる力を過小評価してはならないことをヴィクトルユゴーは読み手に訴えかけるのでした。

【関連】レミゼラブルの名言

 

まとめ

「レミゼラブル」はフランスの最も苦難な時代を舞台にすることで、各登場人物が持つ信念や正義を見ることができる大作です。

原作である小説を読む前に、より当時の雰囲気に浸りたい方は映画を見るのもおすすめです。