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「マクベス」はシェイクスピアの四大悲劇の一つですが、最も短い劇と言われています。
実在したスコットランドの王マクベスをモデルに、暴君の誕生と終焉がテーマです。
この記事ではマクベスの簡単なあらすじと結末、考察をまとめていきます。
シェイクスピア「マクベス」はどんな話?あらすじを簡単に解説
スコットランドの将軍であるマクベスはバンクォーと森の中で3人の魔女に合います。
彼女たちは次の予言を彼らに伝え、消え去るのでした。
1)マクベスはいずれ王になる
2)バンクォーは王にはならないが、子孫がなる
その後マクベスが戦で残した戦果により、国王から領主の地位を授けられます。
本当に王になるかもしれなく、マクベス以上にマクベス夫人の心に野心がともりました。
王より城に一足早く帰還したマクベス夫妻は宴で夫人が王の従者たちを薬で眠らせ、マクベスを奮起させ寝室で寝ている王を刺殺するのでした。
夫人は王殺しに使った剣を眠っている従者の手に持たせ、彼らを犯人に仕立て上げます。
こうして王を失ったスコットランドに、新たに国王として君臨したのがマクベスなのでした。
【ネタバレ注意】シェイクスピア「マクベス」の結末
王殺しや、秘密を知りうる従者たち、そしてバンクォーをも殺したマクベスは罪の意識に苛まれ始めます。
再度3人の魔女たちに会いに行くと、「女の股から生まれた者にマクベスは殺せない」、「森が動かない限り大丈夫」という謎めいた予言をします。
一方マクベス夫人は夢遊病を患い、両手から血が落ちない幻影を見続けます。
彼女が狂いながら死を迎える中、森の木々が城に向かって動いているという報告がマクベスに届きます。
今まで身を隠していたバンクォーの息子たちが木々の枝を盾に進軍し始め、城からはまるで森が動いているように見えたのでした。
予言の一つが的中して半ばヤケになったマクベスはバンクォーの息子マクダフとの決戦に挑みます。
女の股から生まれた者に自分は殺されないとマクダフに告げるマクベス。
するとマクダフは「自分は母親の腹を破って(帝王切開)生まれた」と告げ、マクベスを倒すのでした。
シェイクスピア「マクベス」を考察
マクベスは真っ当な人生をおくっていましたが、運命的に訪れた予言に駆られ夫人とともに野心に従って国の頂点まで行くものの、最後は命を落とすという図になります。
マクベスの権力への渇望が自分の最大の敵となり、物語の後半では罪悪感とパラノイアに苦しめられることになります。
野心に取りつかれるのはマクベス夫人も同じで、最初は夫以上に王冠を手にすることに執着を見せ、王を殺害するよう焚きつけたのも事実です。
物語の最初に出てくる3人の魔女たちも、マクベスに予言を与えなければ暴君が誕生することもなかったかもしれません。
しかし彼女たちと遭遇した時バンクォーがただのあやかしかどうかを疑ったのに対し、マクベスはあり得ないほどの輝かしい未来を約束されたと信じ切ってしまいます。
2度目に魔女たちの予言を聞いた時も、「女の股から生まれない人間などいない」、「森が動くはずなどない」と自分の都合の良い情報だけを信じたのが彼の死の原因となるのでした。
マクダフとの決戦で彼の生い立ちを聞いた時に初めて魔女たちはバンクォーの言う通り、ただのあやかしだったのだと気づくのです。。
マクベスを研究する文学者の中には、彼は「運命の被害者」であり、神の思うままに狂っただけという見解もあります。
マクベス夫人の死から、人生の虚しさを悟るシーンがこの意見を裏付けるものでもあるからです。
シェイクスピア「マクベス」の簡単なあらすじと考察についてまとめ
他のシェイクスピアの劇にはあまり見ないファンタジーの要素が強いのがマクベスの特徴ともいえます。
しかし箱を開いてみると欲に駆られた血みどろな物語で、四大悲劇の中でも暴力色が強い一作です。
「シェイクスピアの劇」といえばハムレットかマクベスを真っ先に思い浮かべる人も多く、四大悲劇の中でも代表作として認識されています。