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「ハムレット」はウィリアム・シェイクスピアが17世紀初期に書いた悲劇の1つです。
名前を聞いたことはあるけど、詳しくは知らない方も多いのではないでしょうか?
この記事ではハムレットのあらすじと、簡単に解説・考察を紹介します。
シェイクスピア「ハムレット」はどんな話?あらすじを簡単に解説
デンマークの王が急死した後、王の弟クローディアスが王位を継承し、亡き王の妃と結婚します。
生前の王と妃の間に生まれた王子ハムレットは、父親の死を嘆くとともに母親が叔父と結婚したことを憂いていました。
ある日ハムレットは死んだ父親の亡霊が城を彷徨うという噂を耳にし、実際に亡霊に会い衝撃な事実を知ることになります。
ハムレットの父親の死は叔父クローディアスの手によるものだったのです。
復讐を父親の亡霊から託されたハムレットは叔父を殺す事を誓い、一人静かに報復を狙うようになりました。彼をよく知る城の人々は突然殺気を纏うようになった変化を怪訝に思います。
しかし叔父もハムレットが真実に気づいたことを知り、彼の友人や王の地位を利用しどうにかハムレットを返り討ちにしようと企てるのです。
【ネタバレ注意】シェイクスピア「ハムレット」の結末
物語はハムレットと叔父のクローディアスを取り巻き、様々な人物が影響を受け命を落としてゆきます。
突然復讐の狂気に取りつかれたハムレットの様子を探ろうと、宰相のポローニアスが娘のオフィーリアを偵察に向かわせます。
母親の部屋で父親の死の真実を伝えようとしたハムレットは、カーテンの裏に隠れて会話を盗み聞きしていたポローニアスを叔父と勘違いし、殺してしまいます。
この悲劇によりオフィーリアは自殺し、彼女の兄レアティーズはハムレットを殺す決意をするのでした。
クローディアスとレアティーズは共謀し、ハムレットとの決闘で使う剣と盃に毒を塗ります。
しかし盃には王妃が口をつけてしまい、毒を塗った剣は両者に傷を負わせることとなり、死にゆく中ハムレットはついに叔父を殺し、復讐を果たすのでした。
物語は主要人物全員が命を落として幕を閉じる形となります。
シェイクスピア「ハムレット」を考察
ハムレットは物語を通し、数々のテーマが散りばめられています。
亡霊の存在やオフィーリアの自殺が「死の必然性」の象徴になります。殺し合いが物語のテーマとなっているのも同様です。
「真実と欺瞞」もほぼ全てのシーンで見ることができ、シェイクスピアは欺瞞行為が招く結果を彼の劇を見る大衆に警告しようとしたという見解もあります。
「狂気」もシェイクスピアが得意とする主題のひとつで、ハムレットは果たして本当に狂気に陥ったのか、それともただの演技だったのかは今でも議論できる点です。ある意味ハムレットの発狂も「真実」か「嘘」だったのかと前のテーマに当てはまります。
シェイクスピアの作品の中で最も大きな謎とされているのが、「ハムレットはなぜ叔父を殺すのに手間取ったのか」という点です。
解釈の中には彼があまりに繊細な心の持ち主だったためという意見から、母親を復讐劇に巻き込みたくないという強いマザーコンプレックスの持ち主だったからなど様々な解釈があります。
さらにはハムレットは実は叔父が統べる嘘と裏切りに満ちた王国そのものを滅ぼしたかったから、というスケールが大きくなった意見も存在します。
王宮や王族という煌びやかな見た目とは裏腹に、建物・人間の内部にあるどす黒い人間性を見事に描いた劇なのです。
まとめ
ハムレットはシェイクスピアの作品の中でも世界的に最も知名度の高い劇です。
物語が持つテーマを意識しながら、実際に劇を見に行ってみるのも良い体験になります。
あなただけがたどり着ける新しい物語の理解に出会えるかもしれません。